SAPHO症候群 ^2...コルヒチン,ノイロトロピン,カルシトニン,サリドマイド...?

画像:Hospitalist ~なんでも無い科医の勉強ノート~http://hospitalist-gim.blogspot.com/2012/07/sapho.html 
より 引用 Orz〜
SAPHO症候群のスペクトラム: SAPHO umbrella Clinical Radiology 67 (2012) 195-206 
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SAPHO症候群; 
 Synovitis(滑膜炎), Acne(ざ瘡), Pustulosis(膿疱症), Hyperostosis(骨過形成), Osteitis(骨炎)を呈する症候群.
 上記病態の2つ以上を合併する症候群をSAPHO症候群と呼ぶ.

Case報告のほとんどが日本, スカンジナビア, ドイツ, フランスから.
 年齢は平均45yr, 17-63yrと幅広い.
 汗腺膿瘍, 手掌膿皮症も合併頻度が高い皮膚病変.
 Spondyloarthropathyとの合併例もあり. J Clin Rheumatol 2002;8:13-22
 炎症性腸疾患との関連性も認められている
 HLA B27抗体が13−30%の頻度で陽性となり, 遺伝性の要素も関連している Rheum Dis Clin N Am 39 (2013) 401–418
 自己抗体はANAが15.5%で≥160倍となるが, 特異抗体の陽性率は低い. J Rheumatol 2010;37:639-643

診断Criteriaは一応あることはある. 1987年にChamotが提唱したCriteriaだが, 症例数が少なく, Validationされていない為, 参考程度. 

無菌性の多発性骨炎
 胸部, 脊椎, 骨盤, 長幹骨の侵襲があるが, 皮膚病変は無し
急性 or 慢性の関節炎で
 手掌膿皮症, 手掌膿疱性乾癬, 重度のニキビ, 汗腺膿瘍を伴う
無菌性の単, 多関節炎で
 手掌膿皮症, 手掌膿疱性乾癬, 重度のニキビ, 汗腺膿瘍, 毛嚢炎を伴う

S A P H Oの2つ以上を示す疾患であり, 骨過形成 + 骨炎のみのタイプ(CRMO; Chronic recurrent multifocal osteomyelitis)や, MRP(Multifocal recurrent periostitis), ACW-S(Anterior chest wall syndrome), Acne CRMO などなど様々なスペクトラムがある. 
JDDG 2008;6:657-660
フランスでの120例の報告では, 膿皮症50%, 皮膚乾癬25%, 重度のざ瘡9%, 皮膚病変(-) 16%と, 皮膚病変を認めない例も多いJ Clin Rheumatol 2002;8:13-22

 Anterior chest wall syndromeとは, SAPHOに特異的と言われる胸鎖関節炎を呈する病態.
(当然SAPHO以外にも認めても良い)
また, クローン病を併発する例もある(8.5%) Arthritis and Rheumatism 2009;61:813-821

病状の経過;
3-6moの経過で改善. 単発のエピソードで再発なし
13%
<6moの経過で改善し, その後再発を認める. 再発までの期間は2-8mo
35%
軽快, 増悪を繰り返し, 長期間の治療を必要とする慢性type
52%
 長期的な予後は良好であり, 10yr経過後に重大な機能障害をきたしているのは2/71のみであった.

SAPHO症候群の治療 JDDG; 2008;6:657-660
決定的な治療は未だ無し.
 鎮痛としてNSAIDが中心となり, 試験的にPSL, MTX, Sulfasalazineが使用される.
 PSLは主に皮膚病変に効果が期待できるが, 骨病変, 骨痛緩和効果は乏しい.
抗生剤による治療
 SAPHOの機序の1つにCorynebacterium, Propionibacterium acnesの慢性感染とそれに対する免疫反応の可能性が示唆されている.
 従って抗生剤の投与が治療として試される.
 (ドキシサイクリン, アジスロマイシン, クリンダマイシン)
 効果は症例報告で報告がある程度.

骨病変にはBisphosphonate IV治療が有効の可能性.
 PSL投与後も残存した骨病変, 疼痛に対して, Zoledronic acid 4mgを外来にて1回投与したところ, その3日後には疼痛改善, 数ヶ月後にはQOLが改善したとの報告あり

SAPHO症候群に対するBisphosphonate
18歳の下顎骨炎を繰り返すSAPHO症候群の症例において, 疼痛が強かったため, Zoledronic acid(ゾメタ®) 4mg 1回 IV施行後6ヶ月間は症状が改善. 6ヶ月後に軽度の疼痛出現したため, 2回目投与.
 3回目投与前に骨シンチ施行したところ, 病変部は著明に改善を認めた.
ARTHRITIS & RHEUMATISM 2004;50:2970-73
SAPHO syndromeに対するpamidronate(アレディア®Rheumatology 2004;43:658–661
 1999-2003年に, NSAID, PSL, コルヒチン, MTX, Sulphasalazine, Infliximabに不応性のSAPHO症候群10例に対して, Pamidronate 60mgを1hrで投与.
 反応が無い場合は1mo以内に再投与, 反応ある場合は4mo後の再投与を施行.
骨炎, 骨過形成, 骨痛, 滑膜炎の程度を評価.
Outcome; 
 10名中, 6名が完全寛解. 3名が部分寛解(50%以上の改善)
 反応を示さなかったのは1名のみ.
 投与回数は4回が2名, 3回が1名, 2回が6名, 1回で改善したのが1名.

国内ではIVの保健適応が無いが, 経口のBisphosphonateでも疼痛緩和、病変の改善効果を示した症例報告があり, 試す価値はある. 今後に期待される.

抗TNF-α阻害薬 J Rheumatol 2010;37:1699-1704 The Journal of Medicine 2012;70:444-449
NSAID, MTX, pamidronate, 抗生剤投与でも疼痛のControlが不良なSAPHO 6例で抗TNF-α阻害薬を使用
 使用したのはInfluximab 4例, Etanercept, Adalimumab 1例ずつ
 4/6(66%)で臨床的な改善効果を示した
 皮膚所見は3/4で改善を認めたが, 2例で再発 or 増悪を認めた.

他の治療でコントロール不良なSAPHOで抗TNF-α阻害薬を使用した19例の症例報告のまとめでは, 13例(68.4%)が1回目の投与, 4例(21%)が2回目, 2例(10.5)が3回目の投与で反応を示した. The Journal of Medicine 2012;70:444-449
 他の治療で改善の乏しいSAPHO症候群において抗TNF-α阻害薬でさらに改善が得られた報告は多い 」


SAPHOの方が2例ある...
1例は、MTX+エタネルセプトで著効してるんだけど、もう1例はなかなか...
で、前回、1JAK阻害剤の有効レポートがあったので考慮しているのですが...
中高齢の女性の方にて、当然、ビス剤は使用...NSAIDは効かない...
胸鎖関節痛で困られてます...
で、思いついたんだけど、骨粗鬆症に主に、鎮痛効果のあるエルシトニンはどうだろうかって!!
pibmedでサーチしても、ない!!
無効だったって話も聞かない...
so...試す価値はあるわね ^^
今度、インフォームドしてみようと思います...

画像:https://en.wikipedia.org/wiki/Elcatonin より 引用 Orz〜
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画像:http://jpps.umin.jp/issue/magazine/pdf/0101_01.pdf より 引用 Orz〜
疼痛01
      
        疼痛001

最近は、ビス剤が使われるので、あまり出番はないですが、ビス剤と同じ機序かどうかわからないので試す意味はあると思ってる...
それで無効なら、神経障害性疼痛用の、リリカ、タリージェ、トリプタノール、サインバルタ、トラムセットでの対症療法を考えるしかないか...^^;
抑肝散は無効だったわ...

画像:https://www.ak-hcc.com/osteoporosis/related/illustration/illust/il1_01.html より 引用 Orz〜
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カルシトニンおよび他剤の作用機序

疼痛に対する薬物療法として代表的なNSAIDs(non-steroidal anti-inflammatory drugs;非ステロイド性鎮痛・抗炎症剤)は、末梢においてシクロオキシゲナーゼ(COX)阻害によるプロスタグランジン(PG)産生抑制により鎮痛効果を発揮する。抗うつ薬が鎮痛作用を有することも知られている。特にSNRI(セロトニン・ノルアドレナリン再取り込み阻害剤)は中枢においてノルアドレナリン(NA)およびセロトニン(5-HT)の再取り込み阻害によりNAや5-HTの濃度が高まり鎮痛効果を示す。一方、カルシトニンの作用機序はさまざまであり、抗うつ薬と同様に中枢のセロトニン神経系に作用するほか、末梢神経線維Naチャンネル異常改善などにより鎮痛効果を発揮する。


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カルシトニンの鎮痛効果

カルシトニンの鎮痛効果にセロトニン神経系が密接に関連していることが、次の事実で証明された。Shibataらは、ラットを用いた鎮痛実験で、卵巣摘除(OVX)により骨量減少と痛覚過敏が生じること、カルシトニンによりこの痛覚過敏が解消されること、さらに、カルシトニンによるこの鎮痛効果はセロトニン合成阻害剤で消失することを示した。また、Itoらはラットの脊髄スライスを用いた電気生理学的実験でこの結果を裏付けた。すなわち、痛みを伝えるC線維の刺激により、脊髄膠様質細胞に生じる興奮性シナプス後電流(EPSC)はセロトニンによって抑制されるが、その抑制はOVXにより消失し、カルシトニンによりセロトニンのEPSC抑制作用が回復することを示した。加えて、脊髄のセロトニン受容体数がOVXで減少し、カルシトニンにより正常に回復することも確認した。

正常な生体では、延髄からの下行性セロトニン神経が分泌するセロトニンによって痛み伝達物質グルタミン酸の分泌が抑制され、痛みを抑制している。しかし、OVXによりC線維の終末に存在するセロトニン受容体が減少すると、C線維からの痛み伝達物質の分泌が増加し、痛覚過敏になると考えられる。カルシトニンによりC線維終末のセロトニン受容体数が正常に戻ることにより痛み伝達物質の分泌が抑制され、鎮痛効果が得られる。

骨粗鬆症患者は、骨折に伴う急性痛のほかに慢性痛を訴えることも多い。OVXラットでは骨量減少とともに痛覚過敏となっていることが示されたが、閉経後の骨粗鬆症患者も痛覚過敏となり、その結果、急性痛のみならず慢性痛を患っている可能性が十分考えられる。

抗うつ薬

慢性疼痛患者には、持続性の痛み刺激により不安、緊張、抑うつといった情動の変化が生じる。そのため抗うつ薬、抗不安薬を心理療法と併用する。抗うつ薬の中でSNRIはうつ状態がなくてもセロトニンとノルアドレナリンの再取り込みを阻害することにより、脊髄内でのモノアミンの作用を増加させ、疼痛を抑制することができる。

SNRIの疼痛に対する効果は、うつ状態の有無や心理的・器質的要因の有無にかかわらず発揮される。作用機序としては脊髄下行性痛覚抑制系でのセロトニンやノルアドレナリンなどのモノアミン再取り込み阻害による下行性痛覚抑制系路の増強が主に考えられる。さらに、疼痛が持続することによって起こる反応性うつ症状を軽減させる効果も合わせて期待できる。

監修:熊本保健科学大学大学院保健科学研究科教授 吉村惠先生

*骨に対する直接作用だけじゃない機序があるようです!!
ノイロトロピンという薬も下降性疼痛抑制作用だったはず...^^

画像:https://www.miyake-naika.or.jp/16_memo/memo_chintuyaku.html より 引用 Orz〜
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神経障害性疼痛には抗うつ薬やプレカバリン(リリカ®)、下行性疼痛抑制系賦活薬であるノイロトロピン®などが有効とされます。また、痛みを伴う糖尿病性神経障害に対して、中等症以上では三環系抗うつ薬、プレカバリン(リリカ®)、SNRI(選択的セロトニン・ノルアドレナリン取込み阻害薬)などが第一選択薬として推奨されています。三叉神経痛には、カルバマゼピン(テグレトール®)を第一選択薬として使用しますが、薬疹に注意します。

画像:http://www.hamana-seikei.com/main/shininsei/慢性疼痛に対する薬物療法/ より 引用 Orz〜
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*so...ノイロトロピンも試す価値はあると...
あと、掌蹠膿疱症に対して、あぜプチンも有効な方と効かない方がる...
その時は...ふと、コルヒチン使ってみようかしらんと閃いた♪・・・上の治療のまとめには載ってましたわ ^^♪
白血球が遊走されてくるわけで...同じく、白血球活性亢進して前房蓄膿(ぜんぼうちくのう)するベーチェットでも尿酸結晶を白血球が貪食して発症する痛風でも使われるあのコルヒチン!!

画像:https://webview.isho.jp/journal/detail/abs/10.11477/mf.1410101346 より 引用 Orz〜
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https://www.printo.it/pediatric-rheumatology/jp/info/12/ベーチェット病 より 引用 Orz〜
コルヒチン: かつてはベーチェット病のほぼすべての症状の治療目的でこの薬剤は処方されました。最近の研究では,関節症状や結節性紅斑に特に有効で、口腔内潰瘍の頻度を減少させるとされています。 
ステロイド ステロイドは炎症の鎮静化に非常に効果的です。眼や中枢神経や血管病変を有する小児に,通常は大量の経口療法(1~2mg/kg/日)で投与されます。必要であれば,すみやかな効果発現を得るために高用量のステロイドを経静脈的に投与する(30mg/kg/日を1日おきに*3回)こともあります。口腔内潰瘍の治療には外用ステロイド,眼病変には点眼ステロイドといった局所療法が行われます。*この投与方法は日本では必ずしも一般的ではありません。
免疫抑制薬 このグループの薬剤は重症のお子さん,とくに眼や重要臓器の病変あるいは血管病変を認める場合に投与されます。薬剤名はアザチオプリンシクロスポリン-A そしてシクロホスファミド です。
抗血小板療法と抗凝固療法 血管病変のある症例に使用されます。ほとんどの場合,アスピリンで十分に目的を達成できます。
抗TNF療法 この新しい治療薬は,ベーチェット病の特定の症状*の治療薬として有用です。 *日本では,眼病変,神経病変,血管病変および消化器病変の治療薬として保険適応があります。
サリドマイド 大きな口腔内潰瘍に対して使用している施設もあります。
コルヒチンの副作用で最も頻度の高いのが下痢です。まれに白血球数減少や血小板数減少を生じる可能性があります。無精子症(精子数の減少)の報告もありますが,通常の使用量では大きな問題になりません。薬剤の減量あるいは中止により精子数は正常に戻ります。
ステロイドは最も効果的な抗炎症薬ですが,長期的に使用すると糖尿病,高血圧,骨粗しょう症,白内障,成長の遅れなどの重大な副作用に繋がるため,期間を限定して使用されます。ステロイドで治療を受ける小児は,朝1回の投与で用いられるべきです。長期間投与される場合には,カルシウム製剤を加えるべきです。
免疫抑制薬について。アザチオプリンは肝障害の原因になったり血球減少を生じ感染症にかかりやすくする可能性があります。シクロスポリン-Aは腎障害が主な副作用ですが,高血圧や多毛や歯肉肥厚も生じえます。シクロホスファミドの主な副作用は骨髄抑制と膀胱障害です。本剤の長期間の使用は月経周期に影響を与え不妊の原因となる可能性があります。免疫抑制薬による治療を受ける患者さんは注意深いフォローアップが必要で,毎月あるいは2か月に1回は血液検査や尿検査を受ける必要があります。
抗TNF薬やその他の生物学的製剤は,本疾患の難治性の兆候に対して使用される機会が増えてきました。これらの薬剤は感染症の頻度を増加させます。

*サリドマイド!!...多発性骨髄腫の時使われてること以外よく知らない...^^;
https://1ginzaclinic.com/thalidomide-mechanism.html 参照
サリドマイドの抗腫瘍効果の作用機序

サーチしてたら...以下のような文献が...
コルヒチンは聞かない印象あるね...残念だけど...^^;;

画像:https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/25512472/ より 引用 Orz〜
SAPHO治療003
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